【ZX-10】
今でこそ1000ccオーバーの国産モーターサイクルは珍しい存在ではなくなりましたが、
話が20年以上も前に遡ると、それはそれは目を引くオートバイ達でした。
実際に僕が中学生の頃、通学中何度も遭遇したGPZ1000RXには子供ながらに度肝を抜かれた思い出が今も鮮明に残っています。
そんな1000RXの直系の次世代マシーンが今回のZX-10です。

オーナーさんは僕と同世代で、過去にZZRや隼にも乗られていたそうですが、回り回って想い入れの有るZX-10を手に入れられた
こだわりのオーナーさんです。勿論この年代の車両をコンディション良く、今乗る為には現行のビッグマシーンを手に入れるのとは、
ひと味もふた味も違うエネルギーとコストが掛かったりするわけですが、
それでも少年(青年?)の頃の憧れを今この手に!!
搬入後のパーツ達。
全てが作業対象では無く、純正ラインのデザインサンプル用のパーツも含まれています。
中には貴重なデッドストックパーツも何点も含まれています。
塗装ベース用に状態の良いパーツを集めるだけでもかなり時間が掛かったそうです。(納得)
新品未使用品や状態の良い中古パーツがメインですが、中にはこの様に加工歴や修復済みの使用感溢れる品も含まれます。
でも大丈夫、これらもキチンと下処理作業を行えば見違える程キレイに蘇ります。
こちら新品未使用のデッドストックパーツ達、「もったいない」との声も聞こえてきそうですが、
下処理の為、ジャンジャン手を加えていきます。
盛ったり削ったり、着々と下処理を進めていきます。
ミラーは、ザラザラ樹脂→ツルツル同色ペイント仕上げへ。
各下地作業後は下地塗装→熱乾燥工程です。
基本的な作業の流れは何時ものとおり、下地塗装が乾燥したら再び研磨作業です。
ベースカラーのペイント後、グラフィックサンプル用にお預かりしているパーツを元に
ライン構成を写していきます。こういった作業のやり方は色々ありますがやはり現物が在るのが一番確実ですね。
塗って研いでを繰り返して、少しずつ完成に近づいていきます。
テカッと仕上げのクリアーが入りました。
只今、磨き作業中です。
ワイン系キャンディーカラーをベースに3コートのゴールドとパールホワイトで仕上げた純正デザインペイントの完成です。
相変わらずキャンディーカラーの色味を上手く画像に収める事ができていませんが、
オーナーさんの狙いとおり妖艶な雰囲気に仕上がりました。

ペイント以外のカスタムも進行中の様ですので、完成が楽しみな一台です。